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つぶやき。
・黄瀬の、「黒子っち~あんなにあっさりフるから毎晩枕を濡らして云々」云うの、ガチで毎晩泣いてたらどうしようとふと心配になった。
・夕焼けが眩しいから 君は目を細めている 怒ってるわけじゃないんだと しかめた顔が喋る っていう高緑、って思いながらも改めて歌詞全体眺めてたらこれとっても青黒じゃないか…と思う私は黒子っちは左派です。でも黒子っち可愛いよね。アニメ特に可愛いよね。
・類は友を呼ぶ。…花宮にとっての類ってなんなんだろう、とりあえず木吉に対してヤンデレなんだかツンデレなんだかよく分からないけど、あれは類ですか?
・高尾のパラメータはそんなに高くないんだよなぁ。バスケ以外の面でのスペックが高すぎるのか。
・…はっ、霧崎第一がお坊ちゃん校だと思われているということはまさか…、男子校…!!?
・黄瀬、モデル業から俳優になればいいんじゃないかな。それで作中、雨の中走ったり、泣きながら笑ったりしてくれればいいよ。それがいいよ。
・なんとなく星空見上げて突如天体観測始める青黒ください。
・きーちゃんにはどんな女の子がいいんだろう、と思ったら、盲目な少女とかだったらいいんだろうかという極論に辿り着いた。おとなしい薄幸そうな盲目な少女。
・モデルのきーちゃんはいつからモデルやってるんだろう、なんとなく中学上がってから、というイメージだったけどまさか小さなころからなのか…? 実は芸能界に身をおいて長いのか? だからあんななっちゃったのか???
・くすぶりきーちゃんの気だるげな表情萌える…青峰と逆パターンなんだよね多分。青峰はバスケつまんなくなってくすぶっちゃったけど根はピュア峰で、黄瀬始めてキラキラしだしたけど多分根は傲岸なままなんだ。だってできるんだもん。
・なんでも大抵できちゃうから、できないことが、勝てるかどうか分からない今が楽しい、って向上心溢れて素晴らしいねって思うけど、それって手に入らないものが綺麗に見えて欲しがるのとよく似てて、手に入っちゃったらどうするのっていう。
・黄瀬って誰かを好きになれるんだろうかと心配になってきた。見た目につられて群がってきたバカ女たちに辟易しすぎて自分にツンな人が珍しいからそれを恋心と勘違いしてやいないだろうかと急に心配になる。私は黄瀬をいったいなんだと思っているのか。
・いやでもあの子の本質って基本的にくすぶりきーちゃんのままじゃんか…あのワンコ属性が発動する相手って自分が認めたごく少ない相手じゃんか…大多数はバカだなって思ってるじゃんか…そんななか見た目につられてないってだけでかなりきーちゃんのなかの好感度上がりそうな気が…
・補色同士が仲良しでくっついてるのは偶然なのかな。赤と緑、青と黄色。
・お口悪いきーちゃんカッコいいよ…そういや灰色くんは非DTアピールあったけど、きーちゃんはどうなんだろ。勝手にくっついてくるような子が彼女認定されるきーちゃんはDTか否か。別に非DTでいいけど、処女非処女は大事だぞ。
・それによってピュアかビッチか決まってくるからな。両方ぷまいけど。
・束縛されるのはイヤ、って、ビッチ臭しかしない気がしてきた。黄瀬、あいつやっぱワンコちゃうでぇ…
・イケメソモデルの彼女ってステータス欲しさに黄瀬につきまとって周囲から彼女認定されたあの子がどうしてそんなステータスのない灰色くんに移ったのかが気になる。実は灰色くん、色々すごいの…?
・きーちゃんの黒子っちくださいとか、その他色々あれな行動って、俺が言ってるんだからやってるんだから叶えられて当然でしょ嬉しいでしょ的な気持ちが根底にありそうであるなら殴りたいな。
・自分が認めたすごい人たちにはガンガン行こうぜタイプなのの根底にそういう傲岸さがあって、興味ないその他たちは勝手に寄ってくるけどどうでもいい、ってのは、明らかに人との距離の掴み方が残念であるよ。ATフィールド全開な自分は棚上げしておくとして。
・キセキじゃないけど黄瀬をしばき倒して引っ張っていってくれる笠松センパイはWCで引退、数ヶ月後には卒業式です…黄瀬…と私が泣き崩れるところで思考が堂々巡りですねなんだこの輪廻。解脱したい。
・「だからおまえはダメなのだよ」とか言っちゃう緑間は、それでも他人の努力をきちんと認めるんだよね。でも黄瀬が惹かれるのって自分にはないオンリーワンの才能な辺り、おまえ、本当…くそ…となる。
・黄瀬ビッチで笠松センパイを逆レイーポもうまうまだけど、バカ女たちに囲まれながらいつか運命の人が現れるんじゃないかって夢見てるピュア黄瀬でもいいね。
・今はこんな人達しか周りにいない退屈な毎日でもいつか運命の人と巡り会えるって信じるロマンチスト黄瀬の世界を輝かせてくれたのが青峰でバスケで此処が俺が求めてた場所なんだって思ったのに壊れちゃって、海常でまた楽しいって思えたのに笠松いなくなっちゃってってとこまで考えたがなんでこうなる。
・笠松は肩パンしたり蹴ったりしてくるけど顔殴らないから黄瀬の顔はお好きですかって思ったけど冷静に考えて顔殴ったら問題だよね。あぁ暑い。ついでにリュックやカバンは電車内では身体の前にやって欲しいね。
・真ちゃんは人事を尽くせば認めてくれる良い子だと思うんだ。むっくんは才能ないと認めてくれない、と思いきや認めてくれるハードルがめちゃくちゃ高いだけで認めてくれることを氷室が証明してくれたね。
・ピュア峰はバスケが好きで頑張る人は皆友達くらいで、ぐれ峰も別に否定はしないんだよね。赤司はまだよくわからないな。黄瀬も否定はしないけど、それは無関心に近そうな気がしなくもない。
・黄瀬は笠松のなにを認めたんだろうと最近首を傾げてる。キセキを差別せずしばき倒すところくらいしかパッと思いつかない。下っ端根性…
・キセキのなかで一番バスケセンスあるのきーちゃんだよなって思うけど、でもきーちゃんだとバスケ以外の種目でも良かったんだろうなたまたまバスケに巡り合っただけで他の種目に目覚めたらそれでも良かったんだろうなとなんか複雑やな。
・お前のためだよとか言ってヒトを切り捨てられる赤司くんが好きだ…。はいいろくんに胸ぐら掴まれてる赤司くんが好きだ…。可愛いね…。
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パラレル。
人間と「化物」が混在する世界。
化物は人間から迫害されている場合がほとんど。人とほとんど変わらない姿をしているものから、明らかに異形なものまで色々。
紫原:暴食な化物。背丈が大きいことけど外見は人間と一緒。だけど飽くなき食欲を持て余している。
氷室:吸血鬼的な化物。夜型。元は人間。再生力高い。紫原と一緒に流浪の旅中。
岡村:フランケンシュタイン的な化物。
福井:狐男的な化物。
劉:キョンシー的な化物。
黒子:透明人間的な化物。自分の意志で姿を現せる。人畜無害なので村の人たちにも受け入れられている。
火神:人間。黒子にも理解を示し、割りと化物サイドに寛容な心で黒子と共生している。
緑間:不老不死の化物。ここしばらくずっと人間の世界にいる。ほとんど人間と変わらない。
高尾:人間。化物だろうが関係なし。一応緑間の監視役だけど、監視とか関係なく面倒みてる。
黄瀬:狼男的な化物。人畜無害そうに見えて結構肉食系。
笠松:人間。怪我をしてた黄瀬を拾ってシバキながらも人間と区別なく扱ってる。
青峰:鬼的な化物。最近はだるーっとしてるけど、基本的に好戦的。用心棒的なことして人間と共生中。
桃井:魔女な化物。青峰のお目付け役的なことしてるので一緒にいる。
赤司:なにかもういろんなものを超越した感じの化物。キセキたちはもともと赤司のところにいた。
基本的にキセキは化物。けれど気づいたら陽泉はみんな化物になっていた。
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黄瀬編を書いたのに、間違えて全消ししてしまったからもうネタメモでいい…。
・キセキたちが反抗期で、保護者に向かって「きらい」って言うようになりました。
黄瀬の場合。
・黄瀬は笠松先輩にきらいって言う。でも笠松は別にショックを受けるでもなくハイハイと流してる。
・黄瀬的にはもっとアワアワしてくれるはずだった。むむむ…。
・だから何度も言う。センパイなんてきらいっス。他のセンパイは好きだけど、笠松センパイはきらいって。
・でもやっぱり笠松は反応が薄い。幼稚園で書いた絵をみんなに見せてこいだとか、早く制服から着替えろだとかさらっと言ってきて、黄瀬もハイって素直に従って、はっ、そうじゃない、と気づく。
・何度も何度もきらいって言い張るけど、だんだんと黄瀬の勢いが無くなって、最後は「嘘っス。センパイのこと大好きッス。だから怒らないでこっち見てぇぇえ」って泣き出して抱きついてく。
・笠松は別に怒ってないんだけど、黄瀬は素っ気ない感じが怒ってると勘違いしたらしい。
・黄瀬がキライって言い出したのは夕飯はコロッケじゃなくエビフライがいいって言ってるのに笠松がダメって言うから。
・「好きなんて言い出したってエビフライにはなんねーからな」「イイッス。コロッケでイイッス」
・笠松にしがみついて訴える黄瀬。
・一人でキャンキャンやってた黄瀬を見守っていた森山、小堀が、平和だなぁって思って終わる。
緑間の場合。
・「高尾なんてきらいなのだよ!」「ふーん。で?」ピロリーン。怒ってる緑間を写メる高尾。
・「撮るな!」「だって怒ってる真ちゃんも可愛いよ」ピローン。携帯を向けるのをやめない。
・ずっと怒ってて、顔がトマトみたく赤くなってるのを見てぷくくーって高尾は笑ってる。
・もう知らない顔も見たくないのだよ!って高尾の前からいなくなろうとする緑間のあとを、高尾が追っていく。
・「ねー真ちゃん。明日のラッキーアイテムが、大好きな人だったらどうする?」「え…っ」
・衝撃を受けたような緑間。ものすごい葛藤を繰り広げているのが見てわかる。
・今きらいって言ってるけど、どうせ口だけなのは分かってる高尾。ぷーくすくす。
・「真ちゃんが俺のことキライでも、俺は真ちゃん好きだし」「……」
・怒ってるのとは別の意味で顔が赤くなる緑間をまた写メって、緑間をまた怒らせる。
・怒りすぎて疲れ始める緑間。からかい過ぎたかな、ってところで高尾は緑間なでなで。
・不満気だけど、むむむ…ってなってるけど、もう文句言わない緑間。
紫原の場合。
・「室ちんなんてきらい」「もう一回言ってくれないか」「室ちんなんてきらい」「もう一回」「室ちんきらい」「もう一回」「室ちん…」「もう一回」
・この間ずっと氷室微笑。
・「む、室ち…」しゅん… 氷室の笑みは崩れない。
・「敦、きらいなんて強い言葉、そう使っちゃダメだ」「…はぁい」「いい子。分かったら手を洗っておいて」「はぁい」
っていうパターンと。
・「室ちんなんてきらい」「俺も敦なんてきらい」「えっ」「ん?」
・ショック受けてる紫原と、笑顔の氷室。
最終的にはきらいなんて言っちゃダメ、っていうふうに終わる。
青峰の場合。
・「てめーらなんてきらいだ」「こっちも大っキライだよ!」「さよかぁ。俺は青峰のこと好きなのに残念やなぁ」「すいませんごめんなさい」
黒子の場合。
・「タツヤどうしよう。黒子が『火神くんなんてきらいです』って」「落ち着けタイガ」
力尽きた。
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「屈辱だ…、これ以上ない屈辱なのだよ…」「あ? 人の世話になっといて何言ってんだ」「…何やってるんスか?」ぶつぶつと小声でひたすら何かを呟いている緑間と、その緑間の前を面倒くさそうに歩いている青峰。二人は同じクラスであるし、一緒にいても何ら不自然ではないのだがそれでもその様子を目撃した黄瀬が首を傾げて問いかけたのは、二人が手を繋いで歩いていたからに他ならなかった。「マスクに眼鏡では、眼鏡が曇るのだ、よ…」不自然に途切れた言葉はかろうじて最後まで紡がれたが語尾はほとんど咳に交じってしまっていた。苦しそうに呼吸をするマスクで鼻まで隠れている緑間の顔には、確かにいつも掛けている眼鏡が乗っていない。珍しいと思いながらぶしつけに黄瀬が緑間を見つめていると、青峰が仕方なさそうに補足した。「こいつ眼鏡掛けなきゃ全然なんも見えねぇんだって。ったくしょーもねーよな」「別に、おまえの力など借りなくても俺は大丈夫なのだよ」「でもさっき壁にぶつかってたよね~」緑間の後ろから間延びした声がして、見れば紫原が音楽の教科書とリコーダーを手に立っている。「なんでおまえがそれを知っているのだよ!」「だって見たもん。あ、そう黄瀬チン、次音楽だから移動しないとだよ」「あっ、忘れてたっス。じゃあ緑間っち、お大事にッス。青峰っち、今日の部活では負けないっスからね!」
「へーへー。んじゃあこのまま保健室行くか」「なっ、そんなことをしたら部活に出られないのだよ」「つーか今のままだったらどうせ赤司に止められて部活になんか出れねぇだろ」赤司が明らかに体調の優れない者を練習に参加させるとは思えない。「そ、れは…」「まぁ別に俺はどうでもいいんだけどよ」足元気をつけろよと投げやりに言ってやる。緑間の顔が下を向いた。どうせ碌に見えていないのだろうが、それでも段差があることくらいは分かるだろう。会話は途切れて、時折緑間の咳が響いた。保健室に連れていくと言ったくせに、青峰は自分の教室に向かっている。
・一応形にしたものだけど、メモが残っていたのでこっちに移してテキストデータは削除削除。
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・ムッくん右側で、氷室か赤司が左側。
・どっちの場合でも、ムッくんはお願いされて刺青を入れる。とりあえず左胸。どんどん増えてもいいよね。腕も背中も頸筋もうなじも萌えます。
・とりあえず赤司に頼まれたことにする。赤ちんに言われるがまま左胸に刺青入れて、緑間に呆れられて黄瀬に「お風呂もプールも入れないっスよ?!」って慌てられるムッくんがいいな。何も考えてないムッくんがいい。
・黄瀬に言われてから、それは困るなぁって思うけど、赤司に「そんなところ、入れなくてもいいだろう?」って言われたら、そっかって納得しちゃうムッくん。
・しかし問題は、赤司がムッくんを手放して、ムッくんには刺青だけが残る結末しか思いつかない。どうするかな。
・取り残されたムッくんはただぼんやりしてるけど、他のキセキにとりあえず刺青を消したらどうかって言われて、いざ消すぞってなったときにムッくんの目から涙が零れ落ちればいいよ。
・柄は氷室が頼むなら青い竜、紫の花に青い蝶。
・赤司が頼むなら赤いトカゲ。
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「犬です」
「犬だね」
「わんわんッス!」
「犬だ。わんわんなど、バカまるだしなのだよ」
「ひどい!」
ふくれっ面で文句を言う黄瀬は何処から見ても愛らしいが、あいにく今この場にいる同年代の子供たちはそれをもてはやしたりはしなかった。
黒子、赤司、黄瀬、緑間がぐるりと輪を作って頭を寄せ合っていると、それに気づいた紫原と青峰も近寄ってきた。
「あ、いぬだしー」
「マジだ。つーかこいつ、テツに似てね?」
「ホントだ! くろこっちにそっくりっス!」
黒子が見つけたその犬は黒子に抱えられている。黒子と犬の顔が近付いているため、よく見比べることが出来た。目がそっくりだとキャッキャと黄瀬や青峰が笑う中、緑間は少し離れたところにある段ボールに置かれた紙に気が付いた。
「なにか書いてあるのだよ」
拾ってみれば文字が書いてある。読める人、と6人で頭を突き合わせて覗きこめば、赤司がそれを見て言った。
「てください」
「最初のはなんだよ」
「僕だって漢字はまだしらない」
「むろちんに聞いてくる。むろちーん」
紙を持って紫原は少し離れたところで様子を見守っていた氷室のもとに歩いて行った。今日の子供たちの保護者担当は氷室と火神だ。近所の公園で皆で遊ぶ時は、それぞれの保護者が順番に全員の面倒をみることにしている。
子供たちは氷室と紫原のやりとりを見守った。声は聞こえる距離にいない。頷いた紫原が戻ってくる。
「ひろってください、だって」
「なんだよ拾ってくださいって」
「すていぬ、ということか」
「ひどい!」
緑間が出した答えに黄瀬が叫ぶ。それに追い打ちをかけるように、赤司は言った。
「ということは、こいつはこのままだとほけんじょに連れていかれて、ころされてしまうということか」
「ころされちゃうんスか?!」
「飼い主がいない犬や猫はそうなるんだよ」
あっさりと言われた現実に、黄瀬と青峰と緑間がふるふると震えあがった。犬を抱いている黒子の表情に変化はない。紫原も、分かっているのかいないのか、黄瀬に問われて「赤ちんが言うなら、そうなんじゃない?」とのんびりとした口調で返した。
「赤司っちはどうしてそんなにへいきそうなんスか?」
「僕、言うことを聞かない犬は好きじゃないんだ」
「そういう問題ッスか」
まだ言うことを聞くか聞かないかなど分からないのに。あんまりだと震える黄瀬を尻目に、緑間と青峰はとりあえず飼い主を見つけることを考え始めた。
「紫原、黒子、おまえのところでは飼えないのか」
「えー、わかんない。室ちんに聞いてくるしー」
「僕も聞いてきます」
犬を抱いたまま、黒子は歩きだそうとして、足を止めた。火神がいない。何処に行ってしまったのかと辺りを見回せば、氷室が指さしているのが見えて黒子はそちらを見た。いた。シーソーの向こう側で、頭を抱えて震えている。
「タイガは前に犬に追いかけられたことがあって、犬が苦手なんだよ」
「…そうなんですか…」
聞く前に答えが出てしまっている。諦めた黒子の横で、紫原が氷室に尋ねていた。
「ねぇ室ちん、うちで犬飼える?」
「うちはマンションだから、どうだろう。管理人さんに聞いてみないと。でも敦、敦は犬の面倒ちゃんと見れるか? ご飯もお菓子も半分こして犬にあげられる? 散歩だって行かなきゃいけないし、トイレの世話だってある。敦にそれ全部ちゃんとできるか?」
「…室ちん、手伝ってくんないの?」
「敦が飼いたいって言うなら、ちゃんと敦が責任もたなきゃだろう?」
「……」
笑顔で言われて、紫原は氷室から黒子に視線を移して言った。
「ごめん黒ちん、ムリ」
「そうですか…」
赤司を抜いた残り3人がどうにかして犬を引き取らなければ、この犬は悲しい運命を辿ることになる。責任の重さに、ごくりと青峰と緑間、黄瀬は喉を鳴らした。
「うちはさつきに、いや、桜井に聞いてみる」
「俺も一応、聞いてみるのだよ。高尾なら、もしかしたら」
そう言った青峰と緑間のお迎えがちょうどよくやってきた。それを見た二人の顔がゆがむ。今日のお迎えは二人が望んだ人ではなく、宮地と今吉だった。
「緑間ぁ、おまえなんだその顔はー。いっぺん轢くぞ本当によー」
「た、頼みたいことが」
「は? 今日のワガママもう3回終わってるだろ? ほら、早く帰んぞ。じゃあなー」
「ちょっ、待つのだよ…!」
先を歩いて行ってしまう宮地を緑間は慌てて追った。それを見送ってから、今吉も青峰と向き直って言った。
「青峰も、酷いやん。傷ついたわー。ワシ、こう見えて繊細なんやで? おまえと同じで」
「笑ってんじゃねーよ。ナメてんのか」
明らかなからかいの色に青峰が怒る。犬を飼いたい、と一応言ってみたが、笑顔で駄目だと返された。今吉の言葉は大体が氷室と同じだったが、氷室と違うのは青峰にできるか尋ねるのではなく、青峰には無理だと決め付けたところだった。
「どうせ桜井辺りに世話押し付けるんが目に見えとるやん。あかんで青峰。いくら勝てば官軍言うても、命を扱う以上無責任なことは許されへんわ」
「決め付けてんじゃねー。俺だって犬くらい飼おうと思えばなぁ」
「はいはい、今日の夕飯の当番は桜井だから期待しよな。ほな、みんなバイバイなー」
「聞けよ!」
結局最後まで聞く耳を持たなかった今吉に連れられて、青峰も帰ってしまった。残る黄瀬にかかる責任は重い。駄目だったらどうしようとおののく黄瀬に、黒子は意を決したように言った。
「この犬を見つけたのは僕です。僕がせきにんをもちます」
「でも、どうするっスか。かがみっちは犬が苦手だから、くろこっちのところでは飼えないっスよ?」
「うちで飼えないのなら、僕がここに住みます」
「ここって、公園にー?」
「はい」
紫原の問いかけに、黒子は力強く頷いた。それを見た紫原はいつもと変わらない表情のまま、それでもなにか感じるものがあったらしく赤司にどうしようと尋ねていた。
「どうしようもこうしようも、テツヤが決めたのならそれでいいんじゃないか」
赤司は言う。紫原はそれで納得したようだが、それではよくないのは黄瀬にだってわかる。いくら断言した黒子がカッコよく見えても、よくないことくらい分かるのだ。
どうしたらいいのだろうと思っている間に、赤司は先に帰ってしまった。助けを求めるように視線をさまよわせていると迎えの笠松がやってきて、黄瀬は跳ねるようにして駆けよっていった。
「センパイ、くろこっちが…」
「はぁ?」
黄瀬の説明を受けて笠松が目を向ければ、紫原が氷室に黒子の決意を伝えたのだろう。そこから火神に伝わり、子供が中で遊べるドーム型の遊具に閉じこもっている黒子に対して腰が引けている火神が何かを訴えかけていた。
「こら黒子! 無理に決まってんだろ早く出てこい!! 帰るぞ!」
「だめです。僕はこの子とここに住むことに決めたんです。帰るときはこの子も一緒じゃなきゃだめです」
飽きた。
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「そのカッコしてっと、真ちゃん雨似合うなぁ」
雨の日、傘をさしながら高尾は前を歩く緑間を見守った。緑色のレインコート、カエルを模したそれは帽子のところに耳のような目のような飾りがついている。小さなコンパスで懸命に前を歩く緑間を見ながら、高尾はその背中に声をかけた。
「でもさぁ真ちゃん、こんな雨ん中、公園行ってもお友達はいねぇと思うぞー?」
「今日のらっきーあいてむはブランコなのだよ。一人でも行けるから、文句があるのなら高尾は家でるすばんしてるのだよ」
「言っとくけど、ブランコ持って帰れねーからね? 文句なんてねーから、お供させてもらいますよー」
「フン」
緑間は高尾に言葉を返すために歩くのを止めて振り返った足を、また進行方向へ向けて歩き出した。なにか様子がおかしい。昨日からなにかがおかしいのだ。違和感に高尾は首を傾げた。
普段ならこんなに足早に、彼にしては足早に公園に急ぐことなどない。一体どうしたというのだろう。高尾が考えている間に公園に辿りつき、桃色の可愛らしい傘が先客の存在を教えてくれた。
「あ、やーんミドリンのレインコート可愛いー」
先にいたのは桃井と青峰だ。濡れたベンチには座ることもできず、公園の真ん中辺りに桃井は立っていた。青いクマを模したレインコートを着ている青峰は植木の辺りをなにやらあさっている。何をしているのかと高尾がそちらに気を取られていると、緑間もそこに駆け寄っていった。
「なんだぁ緑間。おまえも気になってんじゃねーか」
「べ、べつに気にしてなどないのだよ。たまたま通りかかっただけだ」
「ふぅん、べつにいいけどよ」
そんな会話を交わして二人は植木の周りを懸命に覗きこんでいる。明らかに何かを探している様子に、高尾は立っていた桃井に近寄って尋ねてみた。
「あれ、何探してんの」
「それが、青峰君教えてくれないの。教えてくれたら手伝ってあげるって言っても、なんも探してねーよって」
困ったように眉を下げる桃井に、高尾は緑間に視線を移して近寄らないまま声をかけた。
「真ちゃーん、なにやってんの」
「…さんぽなのだよ」
茂みを避けていた手を止めて、それでも振り返らないまま緑間は答えた。
「茂みのなかを?」
「み、道なき道をゆくのもまたじんせいなのだよ!」
「どこで覚えたのそんな言葉。まぁいいけど、枝で怪我すんなよー」
子供の自発性と好奇心は大切に。とりあえず様子を見守ることにした。眺めていると、うろうろと動き回っている二人が段々と焦っているのは分かった。それでもまだ二人は助けを求めてこない。
一体何を探しているのだろう。そう思っていると明るい声が遠くから響いてきた。
「ももっちー! あっ、たかおっちも!!」
見れば黄色いキリンのレインコートを着た黄瀬が走ってくる。その後ろにはスーパーの袋を提げた笠松が見えた。一瞬視線を離した間に、笑顔で走ってくる黄瀬が転ぶ。3秒そのままの姿勢で固まって、起き上った黄瀬は泣きながら今走ってきた道を戻って笠松のところに駆けて行った。
「セーンパーイ! ころ、ころんだッスぅぅうええ」
「見りゃわかんだよ。長靴で走りづれぇんだから、走ってんじゃねーよ泣くな!」
手を伸ばしてだっこを強請る黄瀬を抱きあげれば笠松の服にも泥がついた。それにもかまわず笠松は黄瀬を抱き上げたまま、4人のいる公園にやってきて足を止めた。
「なにやってんだ? あれ」
見るからに不審な動きをしている子供二人を見て、保護者に問いかける。だが答えるすべを持たない保護者たちは首をすくめ、傾げるばかりだ。
笠松にしがみついて泣いていた黄瀬は涙を拭くと、植木の側にいる二人に明るい声をかけた。
「二人とも、あのわんわん探してるっスか?」
「バカ! 声がでけぇよ!」
「バレたらどうするのだよ!!」
黄瀬の言葉に二人が慌てふためいてその口を塞ぎにかかるが、黄瀬は笠松に抱きあげられているためとても届かない。
「わんわん?」
黄瀬の言葉に桃井が首を傾げれば、事情を知っているらしい笠松が青峰と緑間がいた辺りの植木を指さして補足した。
「あの辺りに昨日犬が捨てられてたんだよ」
そんなの聞いていない。高尾はようやく違和感の正体に気が付いた。違和感は緑間が隠し事をしていたから感じていたのだ。
「あのわんわんなら、きのー二人が帰ったあと、くろこっちががんばってせーりんの人たち説得したから、せーりんの人たちポン負けして、飼うことになったッス」
「根負けな」
「こんまけ」
笠松の指摘にすぐ言いなおし、くろこっちカッコよかったっスと笑う黄瀬を見上げ、青峰と緑間はぽかんと目を見開いている。上を向いているせいで口も開いて、余りの表情に携帯電話に写真で収めればシャッターを切る音で我に返った緑間がぷんぷんと怒ってみせた。
公園にいる理由を失い、緑間と高尾は帰路についていた。行きの勢いもなく、少し俯き気味で隣を歩いている小さな頭を見下ろして、高尾は尋ねた。
「なんで犬のこと黙ってた?」
特別叱責の色をもつ声ではなかった。けれど、子供ながらに疾しさを抱えていたのか、問われて緑間はますます俯いた。人のせいにするわけではないが、そう前置きをして、普段の不遜な声とは比べ物にならないほど小さな声でぽつりぽつりと理由を口にした。
「…赤司が、飼い主のいない犬は見つかったらつまかってころされてしまうのだと」
飼ってやるにしても、昨日はもうワガママを3つ使い切っていて頼めないし、自分にできるのは犬を隠しておくことだけだったのだと雨音に交じりながら緑間は言った。
説明も言い訳も終わったところで、高尾は緑間ではなく前を向いたまま、ぶっきらぼうに小さくなっている子供の名を呼んだ。
「緑間ぁ、今度から隠し事はなしな。犬を守りたいっていう気持ちは大切だけど、話してくれれば一緒に飼い主探したりとか、してやれることはあるかもしんねーんだからさ」
助けてと言うことと、ワガママは違う。意地を張って独りで生きようとしないで、助けてほしいときはそう言ってほしい。それは分かってほしくて、高尾は緑間の頭に手を置いた。
「…話さなくて、ごめんなさいなのだよ」
「うん、今回はもういいよ。次からな」
そろそろと伸ばされた手を取って一緒に家までの道を歩く。長靴で水たまりに飛び込んで水を跳ねさせる緑間に仕方なさそうに高尾は笑った。頭上の空はもう明るくなっている。雨は直に止むだろう。弾む歌声が道路に響いた。
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・透明人間黒子。フランケンシュタイン紫原。狼人間青峰。キョンシー緑間、かぼちゃの被りもの黄瀬。魔法使い赤司。
・「テツ、赤司とかみたくもっと存在感のある感じになんなかったのかよ」と言われる包帯ぐるぐる巻きの黒子。赤司は黒ずくめに大きなツバの広い魔女帽子と箒とステッキつき。
・みんなで一緒になって各家を回って「Trick or Treat!」
・ちゃんと了解しててお菓子用意して待ってる保護者の面々。
・でもみんなが帰った後に誠凛では黒子のいたずらが待っていた。
・「お菓子をくれなかったのでいたずらです」「おまえが姿消してたんじゃねーか!」
・ミスディレっててお菓子をもらい損ねていた黒子。最後に黒子がお菓子をもらえていないことに気が付いたキセキの面々が、自分のところにいたずらに来ないようにと自分のお菓子を分け与えたから他の家は無事。
・ぷくっと膨れてスネちゃってる黒子に渡すはずだったお菓子+αを火神はあげればいいよ。
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・笠黄かな。他の黄受でもいい。
・運動オッケー容姿オッケーな黄瀬の、オッケーな部分をなくしたらどうなるだろうと思ったら私の脳内がどうしようもないことに。
・事故で足と手を悪くして、日常生活にさして支障はないけれど、もうバスケはできなった黄瀬。ついでに顔も怪我して跡になっちゃってるとかでモデルもできない。
・なにもできたのに、なにもできなくなって茫然として、みんなの前からなんの連絡もなしに失踪。全く音信不通のまま2年くらい経って、ある雨の日黄瀬と再会した笠松が黄瀬を拾う話が頭をふわふわ。
・黄瀬は音信不通中、ヒモっぽいかんじでずっと生きてきて、養ってくれる相手は男だったり女だったり。捨てられたり自分から出ていったりして転々。最後に黄瀬を側に置いていた奴が結構バイオレンスで結構ぼろぼろな状態。
・拾ってもらったお礼にって黄瀬に押し倒されてアッー!な流れに。
・いつまでいるのか分からないけど、とりあえず側に置いておくことにした笠松と黄瀬のあれこれを考えたい。
っていう寝言。
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・おは朝占いの結果が悪くて、運動会に出たくないと言いだす緑間。お布団にくるまってみの虫状態。
・困り果てている高尾に、天の助け、大坪が監督の言葉を持ってきたよ。
・「運動会に行かないのはワガママ1095個分だ」
・「それはどのくらいなのだよ」目だけ出しました。
・「一年分」
・「一年…?」
・「つまり明日も明後日も明々後日そのつぎもまたその次も次も次もずっと、ワガママを言えないということだ。朝ラッキーアイテムが見つからなくても一緒に探してもらえないし、道端で緑間の苦手な近所のボス猫が近寄ってきても抱っこしてもらえない。嫌いな食べ物が出ても、一緒に食べてもらえないということだ」
・「そ、そんなのあんまりなのだよ…!」飛び出して涙目になってたら可愛いね。
・「なら運動会に行くんだな」
・お目目うるうるさせて大坪を見上げる緑間に、宮地がラッキーアイテムの熊のぬいぐるみを持ってきてあげればいいよ。
・しぶしぶ行く気になった緑間に高尾がお弁当持たせて、お見送りして、保護者組は木村が場所取りしてる保護者席に向かうと。
・「みどりまっち元気ないっスね。今日は運動会頑張るっスよー」
・「黙れ、しね」
・「ひどい!!」
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・みんなで踊る1年生に、リズム感なくて笠松に猛特訓を受ける黄瀬、無駄に完璧な演技を披露して曲が終わり次第退場ではなく笠松のところに駆け寄って来ちゃう黄瀬を受信しました。そして殴られて戻される。
・「最速は青峰や」運動会の華はやっぱり徒競走だよね。
・しかし赤司の出番がない。学校のメンバーが分からないから…
・緑間は玉入れ頑張れ。「なにあれ真ちゃん一人玉入れのフォームじゃないんですけど超格好いいウケるwww」爆笑の高尾が見える、気がする。チェッコリ玉入れが可愛すぎて生きるのがツラい…。
・棒引きおもろいな。むっくん強そう。ただし走らないので1、2本貢献して終わる。
・歓声を浴びなくても客席に手を振るのが黄瀬、歓声を受けたら応えるのが紫原、歓声を受けても応えないのが緑間で、あまり歓声がなく勝って当然的な空気があるのが青峰。客席が出番見つけられないのが黒子。
・やはり赤司のシチュエーションが思いつかない。