パーセンテージ・ロールの加減
たとえば〈忍び歩き〉を例に取ると、コンクリートの床であろうと、古くてきしんでいる木の床であろうと、成功率がいつも同じというのは変です。女性キャラクターが「足音がしないようにハイヒールを脱ぎます」と宣言したら、キーパーは当然、成功率をおまけしてあげなくてはいけません。
〈オカルト〉や〈歴史〉などの知識に関するロールも同じです。その知識がどれほど一般的なものであるかによって、成功率を倍にしたり半分にしたり、いろいろな操作が必要です。
問題はその判定基準です。おのおのの技能について、様々な状況に応じた判定基準をいちいち設定するのは、繁雑になりすぎます。そこで次のようなおおざっぱな基準を考えてみました。
仮に、ある技能の成功率が50%以上ある人を、その技能に関する「プロ」と呼びます。25~49%の人は「セミプロ」、1~24%の人は「アマチュア」です。〈0%の人は「ド素人」とでもしておきましょう〉
そして行為の難しさを次の5段階に分けます。
[湖の隣人による註:以下の難易度レベルの説明と具体例は、原文では別々に記載されていましたが、見やすくするためにまとめて一部を箇条書き及び強調表示にしています。]
レベル1:やさしい行為
日常的な行為です。プロやセミプロなら必ず成功し、アマチュアでもかなりの確率で成功します。成功率を通常の4倍にします。
具体例:
5メートルを泳ぐ。
タロット占いのやり方を知っている。
自動車を普通に運転する。
ふわふわしたカーペットの上で忍び歩きをする。
記念写真を撮る。
幅30センチの溝を飛び越える。
よく慣れた馬に乗って走る。
ラジオの真空管を交換する。
夜空の有名な星座を見分ける。
梯子を慎重に登る。
昨日の新聞を図書館で探す。
有名な歴史上の人物の名前を知っている。
レベル2:少し難しい行為
プロなら必ず成功しますが、セミプロではたまに失敗することがあり、アマチュアでは失敗することが多いでしょう。成功率を通常の2倍にします。
具体例:
お人好しの人物を言いくるめる。
50メートルを泳ぐ。
外国人と日常会話をする。
いい天候の日に飛行機を着陸させる。
カーブの多い道を急いで運転する。
ハードルを飛び越える。
眠っている人のポケットから財布を盗む。
病名が判明しているありふれた病気を治療する。
梯子を急いで登る。
野球でストライクを投げる。
有名な歴史上の人物について詳しく知っている。
レベル3:難しい行為
プロでもたまに失敗することがある行為で、セミプロでは失敗することが多いでしょうし、アマチュアではかなり困難です。成功率はそのままです。
具体例:
500メートルを泳ぐ。
まったく音程をはずさずに歌を唄う。
悪天候の中で飛行機を着陸させる。
カーブの多い凍った道を急いで運転する。
暴れる馬から落ちないようにする。
起きている人のポケットから財布を盗む。
けわしい岩壁を登る。
野球で変化球を投げる。
あまり有名ではない歴史上の人物について知っている。
レベル4:かなり難しい行為
プロでも失敗することの方が多い行為です。セミプロやアマチュアではかなりの幸運を必要とするでしょう。命にかかわるような場合には、避けた方が無難です。成功率を通常の半分にします。
具体例:
ドーバー海峡を泳いで横断する。
頭のいい人物を言いくるめる。
隠れたまま移動する。
きしむ床で忍び歩きをする。
片輪走行をする。
きわめて珍しい病気を診断する。
混乱した状況で写真を撮る。
身につけられているネックレスを盗む。
あまり有名ではない歴史上の人物や事件について非常に詳しく知っている。
レベル5:途方もなく難しい行為
プロでもかなり危険です。セミプロやアマチュアでは不可能に近いでしょう。こうした行為を平然とこなすことができるのは、漫画のキャラクターだけです。成功率を通常の4分の1にします。
具体例:
人混みの中で数十メートル先の銃の撃鉄の上がる音を聞く。
自動車で垂直の壁を駆け上がる。
城の屋根から屋根へジャンプする。
相手が次に言おうとしている台詞を先に言う。
相手が気がつかないうちに相手の体に無数の手榴弾を結びつける。
古代中国のあやしげな武術のことを聞いたことがある……。
quitheryne