28日の日記。
目覚めは悪くなかった。しかしいつもと違うことに気づいた。
曇っている。あれほど毎日、憂鬱になるくらい晴天だったのに。
ともかくも行く場所があるので身支度。
水圧の非常に強いシャワーを浴び、ついでに靴下などを手洗い。シャワーなのにすこしのぼせる。
服を身につけ部屋で弱いwifiにドキドキしながらインターネット。
おなかがすいたなー、今日こそはロモサルタード食べたいな。牛肉とトマトとフライドポテトを炒め白米を添えたペルー料理である。
肉と炭水化物。最高の組み合わせだ。
宿の目の前に食堂があるのだがディナータイムに行ってもおばちゃんがぽつんといるだけでやっておらず、
かといってランチタイムに行ってもやってない。おじさんがワールドカップを見ていた。
そのくせ、メニューはだしたりひっこめたりしている。非常に紛らわしい。
ワールドカップだからやってないのか、営業時間が非常に短いのか、それとも旅行者にだす飯はねーよということなのか。
ともかく腹ごしらえだ、と思いまず第一の用事を済ませるために広場へ。
旅行代理店との交渉だ。しかし肝心の航空会社のオフィスが電話に出なかった。
このあと提携の航空会社へも赴くがことごとく失敗。
しょーがない、ごはんたべよう。おなかがすいた。
何日か前から行ってみたい場所があった。土産物屋が集まった建物だ。民芸品センターとか言うらしい。
歩いて行ける距離だ。アグレッシブな走りを見せるペルー人ドライバーに何度か轢かれそうになりながら辿り着く。
全然ひとがいない。やはりインティライミという見どころが終ってからクスコの街は明らかにひとが減っている。
なんとなく奥の方まで行くと食堂が3店舗位ならんでいる。営業しているようだ。
ふらふらーっと歩いて行くとおばちゃんが「うちで食べてきなさいよ!!」と手招きする。
「ロモサルタードある?」「あるわよあるわよ!座んなさい!」
ついに食べられるのだ、ガイドブックでしか見られなかった憧れのあの料理が。期待と空腹で目まいがする。
料理ができるまで手持無沙汰なのでメニューをみる。ミートソーススパゲッティとかあるけど絶対麺が伸びきっているんだろうなー・・・
そうこうしているうちに付け合わせのとうもろこしの塩煎りと、小さな器に入ったたまねぎなどのみじん切りが運ばれる。
たまねぎかーとおもって一口。失敗した。辛い。ものすごく辛い。たまねぎではなく、パプリカだとおもっていたものがどうやら唐辛子だったようでものすごく辛い。
殆ど噛まずに飲み込むがひりひりする。小皿にいれられていてどう見ても薬味だし、気づくべきだった・・・。
やっと本命のロモサルタード。牛肉、たまねぎ、トマト、そしてなぜかフライドポテトをシンプルな味付けで炒めた料理である。
シンプルながらも牛肉のうま味、トマトの酸味が絶妙にマッチ。たまねぎとポテトの食感の違いなどで舌を楽しませてくれる。うまい。
しかも量が多い。とても多い。ご飯も一膳分くらいついている。ご飯のボリュームが多いのはいいことだとおもう。
完食してお土産センターをまわる。ずっと欲しかった色鮮やかな布や毛糸でできた髪飾りなどを購入。
これ、ぜったいふっかけられてんだろうなーと思い値切りに値切って買っているが、そもそも日本円に直せばそのふっかけられている金額さえ激安なのだ。
しかしペルーの物価を考えるとやはり言い値で買うわけにはいかない。
とりあえず今までで買った一番高いものは今日買った布、25ソレス。
日本円にして750円・・・。
意外とアクセサリーの類が可愛かったりするのでまんまとお土産を買いまくっている。
帽子なんかも安い。まあ全体的に安い。暖かいショールも20ソレスで買えたし。帽子は3つで16ソレス。(値切ってる)
需要があるならペルー雑貨のバイヤーでもしたいくらいだ。色味は可愛いしセンスもいいし、日本人に受けるのではないだろうか。
ホテルに戻りロビーインターネットしていると、アジアから来たと思しき人たちに話しかけられる(スペイン語で)
「スペイン語は話せません、英語か日本語しか話せません・・・」
「クスコにどれくらいいるの」「一週間くらい」「いいレストラン知らない?」
一週間もいるならどこかいいとこ知ってるだろという希望があったようなのですが、さほど知らないという現実。
なんとか、説明しづらい歩いて行けるレストランを紹介しつつも、いちばんいいのは広場に行くことだよと教える。
なんとなく自己紹介などをしあう。彼の名前はブライアン。NYに住んでる韓国人。英語、韓国語、スペイン語ぺらぺら。
世の中には二ヶ国語どころか三ヶ国、四ヶ国語が話せるひとがごろごろしててすごいなーと思うなど。
スペイン語は動詞の変格活用がやたらと多く覚えるのは大変そうですが喋るのはそんなに難しくない。
だからスペイン語を勉強しようかなーと思ったのですが、思ったきりあまり興味がわかず・・・
そんな私が今一番喋れるようになりたいのはトルコ語。かわいいから。メルハバ!
そうこうしているうちに彼らによかったら一緒にご飯行く?と誘われる。海外に来ても変わらぬぼっち力を発揮していたのに思わぬお誘い。
七時にロビーと言われたのでぎりぎりまでインターネット。メール返したり宿の予約したり色々。
行先は鶏肉料理専門店。グリルのお店とでも思ってください。四人だったので料理を数品頼みシェア。
ついでにこの旅初のアルコールもいただく。クスケーニャというクスコのビール。普通のと黒が選べたので黒にしてみる。
スープが運ばれてきた。なんかはいってる。足だ。鶏の足。足先。ひいいい となりつつも、スープ自体の味はおいしい。
これは食べられるの?むりむりむり と日本語で言ってたら真似された。 ムリムリ・・・
そしてでてくるグリルチキン。でかい。骨付きとりもも肉、一本。これをナイフとフォークで食べるのは難易度が高い・・・。
NYに住んでいるというブライアン達は器用に、というか綺麗に食べている。
チキンをこそげとりつつ、ビールを飲む。苦みが殆どない、甘めのビール。ビールもそうだけどお酒自体ものすごい久々に飲んだ。おいしかった。
食べ終わると彼らは街に出てまた飲むと言うので私はおとなしくホテルに戻った。こまごまとしたやることが残っていた。
クスコにいるからなのか旅先なのかはわからないが、たかだか数時間で歩いているだけでものすごく疲れる。
ここが高地だからというのも関係しているのかもしれない。酸素が薄いので、少し走っただけですぐ息が切れるのだ。
富士山をも超える標高3400メートル、恐るべし。お陰で4階の部屋にあがるとき、疲れ具合で階数がわかるようになった。もうこれ以上登れない、と思ったら4階だ。
ロビーにいるとブライアン達が戻ってきた。
「質問があるんだけど」
「友達Aの彼女が、Aの元彼女の物を燃やせって言ってるらしいんだ。君はどう思う?」
も、燃やせ・・・燃やすのはどうかと思うが、そもそも元彼女の物ってなに?
「彼女の写真をスクラップブックに張り付けてあるものや、服とかだよ。」
「燃やすのはやりすぎかもしれないけど、スクラップブックはきもいから捨てたほうがいいんじゃないですかね」
恋の悩みは世界共通。そしてブライアンも元彼女の思い出ボックスなるものに色々な物品をしまいこんでいるらしい。
未練たらしいことはやめましょう。家ごと燃やされる可能性すらあります。
明日は見に行きたい場所があるので早めに就寝。