南米三大祭りを見に行った。
インティライミ、日本語に訳すと太陽の祭り。
その昔インカ帝国があったころからのお祭りらしいのですが、詳しいことはぐぐってください。
街中でパレードを行った後、高台にある遺跡に移動し神にささげる踊りや歌が披露されるというもの。
日本にいるときにこのお祭りのガイドツアーを申し込んであり
(ツアーでないと遺跡に入れないと書いてあったため)
八時半にロビーへ。
迎えに来たのは日本語がしゃべれるペルー人。
開口一番「ここ遠いよー!」
どうも私が泊まっている宿は一般的にみて街中から遠いらしい。
タクシー10分くらいなのだが、確かにもっと広場に近い方にも沢山ホテルがあるしなぜあえてここを選んだんだと問う彼の気持ちもわからなくはない。
インターネットできるし、部屋綺麗だし、別にいいんですけどね。
なんとない世間話をしながら広場まで車で向かう。
そして旅行会社の前に連れて行かれ、そこのツアーの一団に混ざれと言われる。
申し込みをしたのは初日に泊まった日系のペンションで、そこから日本語が喋れるガイドの会社、さらにそこからクスコ市内の旅行会社へとまわされたようだ。
日本のお役所か。
インディアンの首とレインボーフラッグがくっついた棒を持ったガイドはスペイン語と英語を操り、セレモニーがあるからと、昨日ぼーっとした広場まで我々ツアー客を引率した。
あああ、ここはそんなに重要な場所だったのか。
セレモニーが行われるということで沢山のひとが集まり、10メートルおきにポリスが立っている。
わたしがよたついていると、同じツアー客のおばちゃんが手を握って歩いてくれた。
間違いなく、15,6歳だと思われている。もしかしたらもっと下かもしれない。
それでもいっか。
おばちゃんらは3人組でアルゼンチンから来ているらしく、スペイン語しか話せなかったが、
いくつかの単語となんとない雰囲気でのコミュニケーションが可能で、
一人で旅行をしている自分にとっては久しぶりにひとと話せて楽しかった。
広場でのセレモニーを終え、また別の広場へ移動する。
どうやら高台の遺跡へ行くバスを待っているようだ。その間にも広場ではパレードが行われ、見物客は騒ぎ物売りが寄ってくる。
最初、アルゼンチンのおばちゃんたちと行動していたためなにがどうなっているかよくわからなかったが、
英語を喋っている同じツアー参加者がいたので
「この後って遺跡に行くんだよね?」
などと聞いたりした。
事務的でない英語を話すのも久しぶりでとても嬉しかった。
そうこうしているうちにバスがきたようで移動。
車内でお弁当と水を渡されバスは遺跡へ出発。
ガイドの男性は英語とスペイン語でこのお祭りがどういうものかを説明しているが、
なまりがきついうえにバスのエンジン音がうるさく何を言っているかほとんどわからない。
遺跡に近づいたところでバス渋滞がおきたので5分ほど歩く。
桟敷席のようなものが用意されていて、かなり見晴らしがいい。
こりゃあいいわ、と思ったのもつかの間。
高地故の日差しの強さ、
そこでのセレモニーが始まるのは2時からなのに11時に着いているというわけのわからないタイムスケジュール……
儀式が始まるころにはぐったり。話す気もしない。
インディヘナの方々が色鮮やかな衣装を身にまとい楽を奏で踊り、
インカの皇帝役のひとが石でできたステージの上でケチュア語の口上を述べる。
私は思った。
心底どうでもいい。
日本人の私にインディヘナは関係ない……。
そう思ってしまうほどに疲労困憊。
11時から16時までのお祭りが終わるころには頭が痛くなっていた。
やっと帰れる……ガイドの待つ場所へ足早に向かう。
「フィフティーンミニッツウォーク!」
帰りはバスじゃないの?歩き?徒歩なの?
確か地球の歩き方にはクスコ市内から遺跡まで歩くと2~30分と書いてあった。
登りだからというのもあるだろうが、だからといって下りで15分は間違いなく嘘だろう。
30分はかかるとみた。
カリフォルニアから来たというメガネ美少女と愚痴を言い合
いながら道を下る。
石畳のなり損ないのような道は時にすべり心臓に悪い。
「帰りはハイキングかよー」
「このハイキングに180ドルも払っちゃったよー最低だよー」
「まあこれもまた思い出だよー」
そんな会話をしながら、物売りを避け、赤ちゃんアルパカを抱かないかという誘惑に負けないように歩き続ける。
赤ちゃんアルパカは正直、すごく可愛い。
クスコにいる間に一度は抱っこしてしまう気がする。
足ががくがくになりつつもメイン広場に到着。
見知らぬおばちゃんと坂が急すぎると文句を言い合う。
あまりに疲れ体がしょうゆを求めたため、日本食の店に行こうかと思ったが見つからなかった。
中華料理屋でワンタンスープを食べる。
うますぎる。人生で一番おいしいワンタンだった。
ワンタンもどきだったけど。明日も行くかもしれない。
タクシーでホテルに戻る。つかれたー。