クスコは相変わらず快晴だ。リマの曇天はイギリスや日本のそれとはまったく違っていて、とても陰鬱。
なぜだろうかと考えてみると、やはりそれは街並みのせいなのだった。
高級住宅街と言われている場所でも、あまりに建物がお粗末で、
もしリマに来たことがない人に写真をみせて
「ここは貧民街です」と言っても
「ああ貧民街の割には建物が整っていますね」というような感想を持つ気がする。
壁などの色はカラフルなのだがどこの家にも屋上がありそこにはためいているこれ洗濯物がより一層赤貧っぽさを醸し出している。一泊しかしていないうえ宿から数百メートルしか移動していない私の感想なので、リマにお住まいの方には叱られるかもしれないが第一印象としてのリマは「あーこんなもんか」だった。
また中心街の方に行けば欧米っぽい街並み(らしい)なのだがそれはそれで発展しきれていない感があるなあと…この感じ、どこかで…と思ったがそれはポーランドのワルシャワだった。
しかしポーランドはなんだかんだ言ってヨーロッパ。
共産主義的な雰囲気が残っており街は少し無機質な感じがしたものの街並みはやはり素晴らしく、
大きなマクドナルドやショッピングセンターがあるのを見てもさほど残念な感じはしなかった。
ペルーにはインカ帝国の名残があって当然という刷り込みのようなものをされているせいか都市部を見てもさほど感慨はわかず、
もう帰国する日までリマには行かなくていいなという気持ちしか残っていない。
一方クスコは、そこかしこにインカ時代を思い起こさせる色使いや石組の壁が見受けられ、歴史を感じるとともに見ているだけでも楽しい気持ちになる。
ホテルの部屋から隣の家の屋上が見え、インディヘナ由来のカラフルな洋服が干してある。
鶏もいる。
建物自体はリマのそれとさほど変わらないのだが、空の色や鶏が飼われているのどかさで断然クスコの屋上の方が旅情を満喫できると言えよう。
屋上評論家かわたしは。
何より街は活気にあふれ、半数は観光客だろうがひとも沢山いる。
皆笑顔だ。
物売りも沢山いるがそんなにしつこくない。
道端では露店が開かれインディヘナの布を使ったバッグなどが売っている。
アルマス広場という中心地は美しい大聖堂とコロニアル建築の協会があり一瞬ヨーロッパに来てしまったかのような錯覚すら覚える。
朝晩は寒いが、昼間は日差しが強くそこまで寒くはない。欧米から来ていると思しき観光客は半袖だし。
そんなわけで、昨日さんざん探した日本食のレストランが移転していたことを知ったのでご飯を食べにいってきます。