12時前に家をでる。
目的はただひとつ。和食を食べることだ。
日本を離れ数日、機内食でも欧米チックな食事の連続。さすがに限界がきた。
醤油がほしい。出汁がほしい。My body need soy sauce.
ひとつ目をつけてあった日本食レストランがあり、昨日遺跡から歩いて帰ってきたときも散々探したのだが見つからなかった。でもあきらめることはできなかった。2ch、mixi、グーグル検索・・・・・・ありとあらゆる方法でレストラン「金太郎」の情報を探す。2009年に訪れた人が「地球の歩き方に乗ってる場所になかった」とブログに書いていた。もしや、閉店してしまったのだろうか。心なしか日が陰ったような気さえした。めげずにmixiのコミュニティ検索をつかい「ペルー」「クスコ」でヒットしたコミュニティのトピックを片っ端から見ていく。
あった。
クスコのコミュニティのトップに、「金太郎は移転しました」の文字。リニューアルオープンは最近のようだ。
日付は2010年の5月。間違いなく営業しているだろう。サイトを訪れてみるとランチが10ソルで食べられるとのこと。
メニューには親子丼やかつ丼などの文字が乱舞し、人目が無かったら涙を流していた可能性すらある。
やった。和食だ。醤油なんだ。出汁なんだ。
雲間に隠れていた太陽はここぞとばかりにロビーを照らしわたしのこころをも明るくさせた。
ありがとう金太郎。大好きだ金太郎。
この時点でまだ10時だったので、他にもこの先どうしようかなーなどというプランを組み立てたり調べ物をしたり日記を更新したりで時間をつぶす。おなかがすいた。朝バナナ一本食べたきり。私の胃袋は金太郎へとまっしぐらだ。
タクシーをひろい高らかに「アルマス広場まで!」と告げる。広場に着き、これでもかというくらい見続けたせいで頭に焼きついた金太郎までの道を歩く。空がいつもより青いような気さえした。ついに来た。二階への階段を登る。和風チックな内装だ。店内には大きなテーブルがひとつと、4~5人がけのテーブルが10個ほど。奥にはカウンターもあった。なかなかに広い。テーブルの上には質素ではあるが美しく花が飾られいい雰囲気。さっそくメニューから親子丼を注文。待ちきれない。オープンと同時に入店したので一番目の客だ。数分すると欧米から来たらしき観光客や日本人っぽいおじさんなどが入ってきた。番茶が運ばれる。待つこと20分。親子丼が目の前に置かれ、胃液が一気に放出されるのがはっきりとわかった。あまりに美味しかったために速攻で食べ終わり、向かい側の欧米人の様子を眺めていた。彼らも丼ものを頼んだらしくセットの味噌汁をしきりに箸でかきまわしている。なぜだ。別にかきまわす必要はないはずだ。ひとしきりかきまわすと、今度はレンゲで味噌汁を飲みだした。なんだかすごい光景だった。イギリス人の友人が来日したときに和食を食べたけれど、彼は日本通で箸の使い方も完璧で、器用に焼き魚の骨をよけ味噌汁をすすっていた。雲泥の差である。まあ、私がフレンチ食べてたらフランス人に同じような風に思われるんだろうな。
胃袋を満たしたので、次に泊まろうかと思っている日本人宿の場所を確認しに行った。
広場からそう遠くはないはずだ。・・・・・・はずだった。
ものすごい坂。急こう配、という言葉が浮かんでクスコの青い空に消えた。
ただでさえ酸素が薄いのにこんなところを歩いたら1分でぜいぜいだ。
必死に向かうも、かなりダメな顔で歩いていたと思う。場所は確認できた。
確かに広場から近い。しかし帰るときはタクシーを使いたい。
細い裏通りにある上に疲れ切った夜歩く気はしなさそうだ。
下りは違うルートを歩いて行くと学校があり、制服やジャージ姿の子供であふれていた。
へとへと顔の旅行者が、無邪気に遊ぶ子供らの横を通り過ぎる。広場についたころには涼しいクスコで汗をかいていた。
もうひとつ見に行く場所があった。スペイン語の学校だ。パンフレットをもらった。悪くはなさそう。
そのあとは初日にも訪れた小さな土産物市場へ。
初日には気づかなかったのだが、なんと、猫がいた。
クスコもリマも野良犬だけはやたらといて、日本で買ったら高そうな犬種も平気で薄汚れそのへんに寝転んでいる。
しかし猫は一匹も見かけなかった。猫のが好きなのに。
ここにいたとは知らなかった。
縞の猫は売り物と思しきカラフルな布の上で限りなく丸くなって眠っており非常にかわいらしく、思わず「まるいなーおまえまるいなー」と日本語で話しかけながらなでた。
かわいい。おとなしい。
猫を撫でさせてもらったのでなにか買おうかなーと思ったがほしいものがなかったためまた猫をかまいつつ店を去った。
猫はいい。かわいかった。また明日も行くかも。
広場近くのスーパーで水とポテトチップス、バナナなどを購入。
缶詰などが10ソル~で売っており、明らかにそれを買うより外で食べた方が安い。
プリングルスは10ソルで、オレオが4ソルというのもよくわからない。
物の価値がぶれている。
ワインなどは日本円で800円くらいで売っていた。
一人で飲んでも楽しくないのでこちらに来てからまだお酒は飲んでいない。
買い物もしたし、行くべき場所にも行ったし、ということで早々に帰還。
あまりに早いが、書きたいことがあったのでまたPCを持ってロビーにきた。
夕食はちかくのレストランでとろうと思う。やっとそれらしきペルー料理が食べられる。