だだもれ126
女の子はロボトルには興味ないだろうと、昔思った。
男の子向け玩具タイアップ番組で必ず女の子が出てくる。バーコードファイターという作品ではヒロインが男の娘だったという展開だったが、やはりそれとは別に女の子がいたはず。それに、男の娘の感性も「バトル」を好むかどうか?
ポケモンのような世界であればポケモンを見て可愛いと思ってペットにする女の子もいるだろうが、じゃあポケモンバトルをするかというと、それもちょっと。エンジェリックレイヤーはお人形なので、メダロットよりは女の子が手に取る可能性はありうる(でもしつこくいうがバトルするかどうかは)。
ありうるのは、パーソナルなAIを自分の好きなものに収めるやりかた。生まれたときに与えられる個人用の管理ツール(人工知能)があって、幼稚園のころはぬいぐるみにインストールし、小学生になるとロボットに組み込み、中高生になるとロボットを卒業して携帯端末、腕時計、大人になるとその職掌に合わせて、大工ならドリルとか、料理人なら包丁とか、タクシー運転手ならタクシーそのものとか(一気に子供漫画化した)……といった具合に。まさにゆりかごから墓場まで。装飾品、眼鏡、インプラントなどもありだろう。
とにかく小学生の場合、男の子はこぞってロボットに入れるかもしれないが、女の子はそうではないであろうと思う(お人形にAIを入れる男の子の話をメインにすればたちまち別の漫画に)。
もちろん中には「バトル」好きの女の子もいるだろう。逆に、男の子と女の子で「差」がない小学生ごろは男女で「バトル」をしても戦力差が出ないかも(つまりキャラクターとして対等に取り扱える)。ワンピースでそういうエピソードがあったそうな? 世界大会の大人の部では男ばっかりあるいは男女別になってるけど、子供の部では男女混合が可能になるんじゃないかとかそんな感じ。そして(相対的に)力を失ってしまう女の子が、諦めるか悲しむか、あるいは現実を受け入れ感傷を抱かないか、「力」を失うより前に、そもそもそういう「バトル」に価値を見出さなくなるか(女の子のほうが男の子より精神年齢が高いということもあるし)――と、そういうエピソードはできる。
AIはどこぞのメーカーのもので、個々の端末(ロボットかぬいぐるみか包丁かタクシーか)はシンクライアントみたいなものだろうか。なので、個々の端末を変えてもAIのアイデンティティは変わらない。持ち主が死ねばAIの個性はメインフレームに還る(プライバシー問題をどうしよう?)。このシステムの名前は「イデア」以外ありえないな。
逆にいうと、「バトル」できる端末は高価かも? それにあわせて、バトル用端末に組み込む場合、AI利用料に特別料金が必要になるかも? 「身体性制御オプション」とか。そして、そうしたロボットバトルが小学生の間で流行しているとライセンスキーが払えない生活保護世帯の子供がAIオプションを持っているのは贅沢だとか2ちゃんねるあたりで罵倒され……家が貧しくなってライセンスをダウングレードする子とかもいるだろう、それで今までできていたことができなくなって疎外感を味わう。
あと、AIのOSの違いでバトルができないとか、レギュレーションが定まらないとか、そういうことはありそう。玩具タイアップ作品なら寡占企業ということにしておけばいいんだろうけど。いやむしろOSで優劣は競えないけれど、ロボットバトルで殴り合いをすれば(物理的に、見た目に)競うことができる?