慌ただしさの中で
昨日のことさえ、忘れてしまう。そんな日常の中で
思い出すことは
貪り愛し合った愛でもなく
恋こがれそれでも叶わなかった恋でもなく
まだ、恋の形さえ分からないまま
回りの幸せの中で、どこか取り残されていた二人が
惹かれ合って
始まった背伸びした少年と少女の頃を思い出す。
似たようなそれも少しだけ歪んだ環境は
お互いを惹きつけ
言葉さえ気遣い相手を傷つけないように
ぽつり、ぽつりと話ながら学校帰りを歩く。
やがて、触れることも無いまま
互いの進む道が違う中で
自然と離れていった恋を
思い出す。