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quitheryne 考察系

  • ▼考察2. 闘いの儀って何だったのさ?

    ◆原作で明示
     └ ウジャト眼がファラオの魂を見極めるための儀式
     └ 儀式で冥界に行く資格があるとみなされると、冥界の扉が開く


    ※考察に必要な前提知識;古代エジプトの生死観について
     闇遊戯が生存していた時代のエジプト第18王朝は、復活信仰の時代だった。
     復活信仰とは、沈んだ太陽がまた昇るように、死者もまた甦るという信仰である。甦るために死者は心臓を秤にかけられてオシリスの審判を受け、また甦ったときのために肉体をミイラにして保存した。ただし、この復活の権利はファラオ(と、それに近しい極一部の神官)だけのものとされていたため、民間でミイラを作ることは無かった。(ただし、王朝末期では王室再生神話系列の弱体化により、民間でもミイラを作るようになった。死者は冥界の支配者であるオシリスが治めるイアルの野に住まうと考えられた。)
     ちなみに、審判で復活の権利を得られなかった者は、心臓をアメミットに貪られる事で失い、消滅すると考えられていた。
     古代エジプトの生死観において、来世とは死後の世界のことである。審判に合格した死者は「祝福された死者」と呼ばれ、アクと呼ばれるバーとカーが融合した不滅の存在となり、冥界で平和に暮らすと考えられた。
    ("知っておきたい世界と日本の神々", 松村一男、"知識ゼロからのエジプト入門", 近藤次郎 より)

    <アク>
     バーとカーが融合した不滅の存在。冥界で暮らすものはこの形を取る。
     うまくアクの形を取れなかった死者は消滅して永遠に失われる(冥界に行くことができない)と考えられたため、バーとカーがうまく融合できるように様々な儀式が執り行われた。

    <冥界>
     来世の地。死後の世界を描いた壁画などでは、イアルの野という記述が良く見られる。
     冥界は生前の最も幸福な状態を再現した土地で、老いも病もなく平和で、生前と同じ生活を永遠に続けられる場所とされた。
     古代エジプトにおける来世とは、この冥界での生活のことである。

    <ウジャト眼>
     ホルスの目とも呼ばれる。ホルスは天空の神で、その右目は太陽、左目は月を象徴するとされた。
     ウジャト眼はホルスの左目とされ、そこに映ったものは夜の象徴であるオシリスも見ることができると信じられた。(太陽はラーの目と考えられた)
     ホルスの目は長らくセトに奪われていたが、時を経てホルスの元に戻ってホルスの傷を癒したため癒しの眼とも呼ばれ、癒しや安全と保護のシンボルとされた。
     古代エジプトでは魔よけとして好まれた。


    ◆考察 
    ・闘いの儀とはなんだったのか?
     └ 原作で明示しているように、疑うべくも無く闇遊戯が冥界へ行くための儀式

    ・冥界に行ったらどうなるの?
     └ 一般市民なら冥界の住人となって永遠に平和に暮らす。
     └ しかし第18王朝のファラオは違い、ファラオは死して神の審判を受け、神(オシリス)と1つの存在になると考えられていた。
     └ 原作内でアテムはオシリス達を従える立場にあったため、既存の神々より強い存在であると考えると、新しい神になる可能性が高い。
     └ さらに原作内では、死んだ人間のカーが石版に投射され「カードの精霊」として具現化した。また、カーは魔物と表記され、バーはその意志の力の強さによってカーを従えるとされている。これより、魔物としての力はカー、カーとバーが融合してアクとなった状態が精霊なのではないか?

    ・それはそれとして、闇遊戯はちゃんと冥界にいけたのか?
     └ 行けた……ように原作では描かれている。ウジャト眼もゴーサインを出した。
     └ ただ1つ問題があって、【考察1】で闇遊戯はバーであると考察した。冥界で暮らすためにはアクとなる必要がある。アクはバーとカーが融合した存在だ。闇遊戯にはカーがないため、アクになれない。

    ・闇遊戯のカーはどこに行っちゃったの?
     └ カーは肉体に宿っているものなので、肉体が失われた時点で消滅するはず。
     └ ただし原作において、古代エジプトの神官セトが海馬に転生したという描写があり、転生の可能性を認めている。(双六がシモンと酷似していたりもする)
     └ また、表遊戯と生前の闇遊戯は非常に似通っている。このことから、表遊戯はアテムの転生体である可能性が高い。ただし、アテムのバーは闇遊戯として千年パズルに封印されていたため、肉体の崩壊で現世にとどまれなくなったカーが転生した。表遊戯以外に誰も千年パズルを組み立てることができなかったのは、千年パズルはファラオのバー(闇遊戯)を支えることができるカーの持ち主(ファラオのカーの転生体)を待っていたためでは?

    ・結局、闇遊戯ってどうなるの?
     └ 冥界の扉に迎えられたので冥界に行く。来世が冥界。そして神になる。
     └ ただし神(カードの精霊=アク)になるための要素がたりないので保留状態になる。(カー待ち状態)

    ∴ まとめ 
    ・闇遊戯はファラオアテムのバー
    ・表遊戯はファラオアテムのカーの転生体
    ・闇遊戯はファラオの魂として冥界に行って神(カードの精霊=アク)になる……予定だが、アクになるためにはカーが足りないのでまだなれない
    ・カードの精霊はバーとカーが融合したアク(どっちかというと影の気がするが、原作で影について触れていなかったので割愛)
    ・セトは転生してるので、多分あいつ冥界に行けなかった
    06/08/14 quitheryne
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