世界観と設定はまさめいと一緒。オメガ御幸とアルファ降谷。
御幸は5歳でオメガ判定出た段階で親になんだオメガかと切り捨てられてる。両親はアルファ父とオメガ母。オメガ母の方がこの後の御幸のことを思うと同情の念があるけど、父の方が御幸を自分の子だと思っていないような態度なのであまり御幸のことを構えない。番解消されて捨てられるのが怖いから。
別にいいけど、って思ってたけど野球始めて成宮と出会って、オメガで一緒に郭入って、なんとなく2人一緒に居た。鳴ちゃんのアルファ嫌いと振る舞いに、おいおいって思ってた。鳴ちゃんが雅さんに出会ってからは、いいなぁって思ってたり。いつか自分にも運命のアルファが現れるのかなぁとか思うけど、両親見てるとそんなの別にいらないかなって思ったり。捨てられるのに怯えるなんて嫌だ。どうせオメガに生まれた時点で先なんて無い。あの日自分を切り捨てた父親は正しい。あの人は人としてしょうもないと思うけど、間違えない。いつだって正しい人だから。
ある日廓の中で独り壁に向かってボール投げてる子供がいた。自分と同じくらい。一球投げては拾いに行ってってやってるのを見かねて、相手してやろうかって話しかける。ちょっと嬉しそうな顔をするけど、でもどうせ君に僕の球は取れないだろうからって。カッチーンとくる御幸。絶対余裕で取れるから、本気で投げてみろよって云う。軽く取ってやって、ビックリしてる相手に、だから云ったろ? って笑いかけてボール投げ返してやった。
降谷は5歳でアルファ判定出て、その通りアルファらしく育ってきたけど、野球の能力が突出しすぎちゃって周りから浮いちゃってた。アルファだから当然だよなって云われて、お前の相手なんて出来ねーよって拒絶されて手負いの狼モード。15歳になって、最終結果が出て、いつか此処に来ることになるだろうからって郭を案内されてたけど、どうでもいいし、なんか変な甘い匂いするし、ヤダなって思って逃げ出して独りで壁投げしてた。御幸に球を捕ってもらって、この人が僕の運命の相手だって思って御幸のもとに通い詰める。基本的にはキャッチボールしたりするだけ。別に身体の関係を持ったりすることは考えてない。
ある日いつものように御幸のところにいったらドア開けてくれない。声だけの御幸なんかつらそう。それにドア越しに甘くていい匂いする。今薬飲んだからちょっと待っててって云われたけど、いい匂いはまだ続いてる。開けてくださいって云ってみる。ヤダって返される。開けて、開けてくださいって何度もお願いしてると、御幸が中から開けてくれた。匂いが強くなる。クラクラする。部屋に入って布団に押し倒して、本能のままに絡み合って、仰け反って晒されてる御幸の首元が目に入って、噛み付こうとしたら口を抑えられて拒否された。ダメ、番になるのはダメ。
番? ってなって、帰ってから改めてこの世の3つの性のお勉強をし直す降谷。自分がアルファで御幸がオメガで、それがどういうことなのかってのをしっかり理解する。
じゃあ、御幸と番になればいい。そう思った降谷は即実行しようとするけど、御幸に拒否される。ヤダ、ならない。なんで、って問うけど、なんでもって答える御幸。
その頃鳴ちゃんが雅さんに番解消されて引きこもってて、御幸は余計に番ってものに対して夢を見られなくなってた。おまえだって、身勝手なアルファのひとりだよ。こっちの都合なんてまるでお構いなし、球受けてください、次は番になってください? オメガを、俺をなんだと思ってんだよ。帰れって云われて、とりあえず帰る降谷。
憔悴してる鳴ちゃんに寄り添う御幸。信じてたもの全部、全部嘘だった。なんでオメガなんだろう。なんでこんな目に合わなきゃいけないんだろう、哀しい、辛い、苦しい、哀しいって泣いてる発情期鳴ちゃんをよしよしって慰めつつ、オメガな自分じゃなにもしてやれないの辛い。なんでもないような顔をしてやってくるようになる雅さんに敵対心。ついでにアルファである降谷にも。
降谷は降谷で来るたびにいる雅さんに首を傾げてる。鳴ちゃんを傷つけたやつだよって御幸に教えてもらって、別に自分はオメガでもないくせになんとなく雅さんを警戒。それに気付いた雅さんが話しかけてきて少しお話する。
雅さんが鳴ちゃんに家族をめちゃくちゃにされたこと、雅さんが鳴ちゃんにした仕打ちのことを聞く。鳴ちゃんがしたこともヒドイし、雅さんがしたこともヒドイと思う降谷。どっちが正しいとかそういうのは多分ないってことはなんとなく理解する。
憎しみしかなかったはずなのに、愛情なんてないはずなのに、鳴ちゃんのことが気になってこうして毎日訪ねてしまう。運命っていうのは、本能ってのは厄介だ。本当に鳴ちゃんは雅さんにとって運命の番だったのだろう。偽りなんかじゃない。こちらから番を解消したのに離れられない。もう二度と番を作れない鳴ちゃんを哀れにも思う。身勝手なのは承知だ。親父よりも先に自分が鳴ちゃんと会えば良かった、運命だと想い合えればよかった、そうすればこんなことにはならなかったのに、って云う雅さん。
そういうものなのだろうか。考える降谷。
アルファだから、オメガだから、自分は御幸に惹かれてるんだろうか。ただそれだけのことなの? でも他のオメガに誘われても心動かされたりはしないし、御幸だから番になってもらいたいんだって思う。
でも信じてもらえない。どうしたら信じてもらえる? って尋ねれば、じゃあ野球辞めろって云い出す。趣味でもダメ。だからもう俺がおまえの球もう二度と受けない。それでもいいっていうんなら、信じてやるって。でも球を受けない俺なんておまえもう要らないだろ? って辛そうな顔で云う御幸に、降谷はじゃあ野球辞めますってきっぱりと云う。御幸が手に入るなら、なんだって捨てる。何かを捨てるくらいで御幸が手に入るなら安いものだ、なんだって捨ててやる。友達も家族も、御幸以外、もう何も要らない。だから僕と此処を出て、僕と生きてください。
心動かされる御幸。ちょろい。でも鳴ちゃんが心配だからここからは出ていけないっていう。そうこうしてるうちにあっちはあっちで動きがあってなんやかんや丸く収まるっぽい感じで、こっちもハッピーエンドになればいいねっていう投げっぱなし。