11月26日収録生放送用声劇台本③
「やきいも」
台本作成:森山わん太郎(@MoriyamaWantaro)
蓮華:「――落ち葉はこの位、でしょうかね。塾の庭に溜まった落ち葉をどうしようかと思いましたが、確かにこれなら程よく処理出来そうですね。――さて。そろそろあの子たちも来る筈なのですが……」
ましろ:「こんちゃー!」
フェルン:「宅急便でーす!」
ましろ&フェルン:「嘘だけど!」
要:「ましろサン、フェルンサン、先行かないでくださ……おぉー! 落ち葉一杯ありますね~! これだけあったらお芋もたくさん焼けそうです!」
蓮華:「あ、皆さん来ましたね。いらっしゃ――あれ? まおくんと鼎くんは? 姿が見えませんが……」
要:「あぁ、それなら――」
まお:「――おいクソ狸! 速攻縁側で寝ようとしてんじゃねぇ!!!」
鼎:「うるさいなぁ……焼き芋するのなんて時間かかるんだから、別にいいでしょ……」
まお:「そう言う事じゃねぇだろ!!!」
ましろ:「あらやだ奥さん。あのこ他人(ひと)の家で怒鳴り声あげてるワ」
フェルン:「あらやだほんと。なんて静かなのかしら!」
要:「早くお芋焼きましょう! ボクお腹すきました!」
蓮華:「あらあら。それでは、要くんも待ちきれないようですし、もう落ち葉に火を点けましょうか」
ましろ:「あ! それなら穴掘ろうぜ、穴! 水で濡らしたキッチンペーパーと銀紙で包んだサツマイモ入れて埋めて、その上で火つけんの! 多分土臭くなってうまそうじゃなごめん嘘じっくり蒸されて絶対美味いって!」
フェルン:「何それすっげーマズそう!!! シャベル持ってくる!」
要:「え、おっきいのはスコップじゃないんですか?」
鼎:「どっちでもいいでしょ、そんなの……っていうか、それ時間かかんない?」
ましろ:「すっげぇかかる! 半日とか!!!」
鼎:「じゃあ駄目じゃん、普通に焼きなよ普通に」
フェルン:「なーなー! 落とし穴埋めようぜ落とし穴! まおが落ちそうなヤツ!!!」
要:「いいですね! どっちが大きいの掘れるか競争しましょうよ!」
まお:「自由かお前ら!!! あと穴に芋埋めんのも却下!!!」
ましろ:「なんでだよ! まおのケチ! あほ! ねこ!」
まお:「最後悪口じゃねぇよ」
鼎:「ばーかばーか探偵ー」
まお:「だから最後悪口じゃねぇよ!!! っつーか便乗してくんな!」
蓮華:「はい皆さん、もう火はつけましたからね。危ないですからこの周りで遊んじゃだめですよ。いいですね?」
ましろ・要・フェルン:「はーい!」
まお:「誰が遊ぶかよ」
鼎:「まおくんが一番危なさそうなんだよなぁ」
まお:「あ”ぁ”?」
まお鼎除く一同:「あー……」
まお:「なに納得してんだよ!!!?」
ましろ:「だって……なぁ……」
要:「まおサンですしね……」
蓮華:「まおくん、本当に気を付けてくださいね……?」
フェルン:「財布落としてそのまま燃やしそうだし、まおも火の中にダイブしそう」
まお:「俺はおっちょこちょいか! あとカラスお前こんなときばっか本音言ってんじゃねぇよ!!!?」
鼎:「そうさせる位まおくんがヤバいんでしょ」
まお:「お前ら月夜ばかりと思うなよ」
ましろ:「こわ! 犯罪予告だ!!! あれだろ、レンゾクサツジンハンがまおで、崖の上でフナ〇シに追い詰められるやつだ!!!」
鼎:「フナムシ?」
要:「崖の上のフナムシ」
フェルン:「まおの強迫よりも怖いフナムシ」
鼎:「フナムシ以下のまおくんって……」
蓮華:「え、まおくんはフナムシさんなんですか……?」※本心から言っている
まお:「お前ら」
要:「それよりそろそろお芋焼きませんか」
ましろ:「おっけーまかせろおら芋投入だおらぁ!!!」※あほっぽく勢いだけで
鼎:「ちょっとましろさん火の粉舞うじゃん芋放り投げないでよ」
要:「まだ焼けないんですかね?」
まお:「今入れたばっかだろうが」
蓮華:「あはは。それでは先に、お菓子か何かをつまみながらお芋が焼けるのを待ちましょうか。何か欲しいものはありますか?」
鼎:「てんぷら」
要:「おいなりさん!」
フェルン:「栗まんじゅう!」
ましろ:「マシュマロとクラッカー!」
まお:「お前らこの後芋食うってわかってるか?」
蓮華:「はいはい、ちょっと待っててくださいね。天ぷら、おあげ……あ、まおくんはツナ缶ですよね?」
まお:「お前ら揃いも揃って俺にはとりあえずツナ缶渡せばいいって思ってるだろ?」
蓮華:「え、いらないんですか……?」
まお:「いる」
数時間後
しだら:「――遅くなってしまってすみません。仕事が長引いてしまったもの……で……――あの、どうして塾の庭がこんなに穴だらけなんですか? クレーターのようになってますが……」
ましろ:「すげぇたのしかった!!!!」
要:「ボクとましろサンとフェルンサンで、誰が一番早くたくさん大きい穴が掘れるか競争したんですよ!」
鼎:「もう掘る必要なさげだったけどね」
しだら:「そうでしたか。……要くん、フェルンくん、楽しかったですか?」
要:「はい!」
フェルン:「ちょーつまんなかった!」
しだら:「それは良かったですね。でも危ないですから後でちゃんと埋めておくんですよ。ましろくん。そんな絶望したような顔をしても駄目です必ず帰りには埋めて下さいね。それで――……まおくんは、そんな穴でV字になって何を……?」
まお:「落ちたんだよ!!! 見て分かんだろ!!!!」
蓮華:「お財布が穴の中に落ちてしまって、それを拾おうとしたら足場が崩れて、そのまま穴にお尻からはまってしまったみたいです。――でも、怪我は無いようで良かったです!」
まお:「それ以前の問題だろうが!!!」
ましろ:「落ち着けよまお……ツナ缶、食うか……?」
まお:「いらねぇよ!!!」
要:「えっ……!? まおサンが……ツナ缶要らない……!!!?」
フェルン:「これもしかして頭打ってないんじゃねぇの誰か救急車ーーーー!」
蓮華:「え、えぇ!!? それは大変です!! え、えぇと、119番……119番……!」
まお:「話を大袈裟にするなおいコラ蜘蛛お前ほんとに電話しようとしてんじゃねえ!!!!!」
しだら:「あなたたち。ふざけるのはいいですけれど、仲間内のノリで他の人を巻き込んではいけませんよ。いいですか?」
ましろ・要・フェルン:「はーい」
しだら:「蓮華さんも、通報などはしっかりと確認をしてからにしてくださいね。特に、彼らと居る時は。いいですね?」
蓮華:「は、はい、すみません……」
しだら:「よろしい。――あぁ、そう言えばここに来る途中で、遅れてしまったお詫びもかねてジュースをいくらか見繕ってきました。どうぞ」
蓮華:「あぁ、そんな気を使わなくてもよかったのに……」
しだら:「いえ、気持ちですから。それに――」
フェルン:「オレンジ、リンゴ、ソーダに乳酸飲料……それに牛乳が無い!!! 俺オレンジ飲ーまない!」
要:「ボク牛乳にします」
ましろ:「かなめお前そんな真顔で……あ! 俺リンゴな!」
鼎:「リ↓ンゴ? リ↑ンゴ?」
ましろ:「リ↑ンゴです!」
鼎:「あ、まおくん牛乳ソーダね」
まお:「いらねーよ!!!!」
しだら:「――ね? 彼らは喜んでくれるかと」
蓮華:「あぁ、それもそうですね……では、ありがたく頂戴します」
しだら:「いえ。むしろこちらこそ、お誘い有難う御座います」
まお:「つーか良い加減穴から出せやゴラァ!!!!」
要:「まおサンなんで自分で出ないんですか馬鹿なんですか?」
まお:「ケツから落ちて立てねぇっつってんだよ!!! 察しろ!!!」
蓮華:「あらあら……」
鼎:「うわダサ」
まお:「タヌキてめぇ」
フェルン:「そんなに黙んなって、ほら手貸してやんねーから」
まお:「誰のせいだと思ってんだ」
要:「まおサンの不注意のせいじゃないんですか?」
フェルン:「それな」
まお:「お前らのせいだよ!!!!!!」
フェルン:「まお静かすぎ、カルシウム足りてるんじゃねぇの? それともツナ缶食べない?」
まお:「なんでこのタイミングでいると思ったんだよ」
フェルン:「まおだから……」
まお:「カラスてめぇ爪刺すぞ」
フェルン:「やめて!!!!!!!!!」※本当に怖い
鼎:「ねえ、芋もう焼けたんだケド」
ましろ:「芋!!!!」
要:「焼き芋!!!!」
フェルン:「焼けてない芋!!!!!」
まお:「焼けたっつってんだろ!!!!」
しだら:「皆さん、火傷しない様に気を付けて下さいね。――えぇっと、トングは……」
蓮華:「あ、トングはこちらにありますよ。お芋、取りますね」
しだら:「あぁ、有難う御座います」
蓮華:「いえいえ。それでは、子供達から順番に……はい、要くん。どうぞ。熱いですよ」
要:「おいもいもいもー!」
ましろ:「あ、だらさんだらさん! これ! 焼きマシュマロクラッカーで挟んだの! めちゃくちゃうまいの!!!」
しだら:「おや、くれるんですか? 有難う御座います」
要:「あ! ずるい! ボクにも下さいよ!」
ましろ:「要さっき食べただろ!?」
鼎:「あ、ましろさんこっちにも頂戴」
まお:「お前ら芋食えよ」
フェルン:「うわつめたっ!!!! この芋すっごい冷たっ!!!」
ましろ:「お前それ炭だからじゃね嘘だけど今焼けたばっかだしそりゃ熱いよなー」
まお:「今更だけどなんで会話出来るんだよお前ら」
要:「あふっ! はふっ! ほ、ほのほいも、ふっごふあふふぃれふっ! へろあまふへおいひぃれふっ! はふ!」
鼎:「何言ってんのあんた」
しだら:「このお芋、すっごく熱いです。でも甘くておいしいです……では?」
要:「そうれふ!」
鼎:「分かんないよ」
蓮華:「しだらさん、よくお分かりになりましたね」
しだら:「何となく、ですよ」
鼎:「あっつつ……はふ……あむ……うん、おいしい」
まお:「はえーよ!!! つーか食えねーよ!!! あっつい!!!!」
フェルン:「だろうな」
ましろ:「さっきまで火の中にあったしな」
鼎:「むしろまおくんはなんで焼き立ての芋食べようと思ったの? 熱いの分かってるでしょ? もしかして馬鹿なの?」
まお:「タヌキこのやろう」
蓮華:「それでなくてもまおくんは猫舌さんですしねぇ……」
しだら:「無理をしないで、ゆっくり冷ましてからでも大丈夫ですよ」
ましろ:「アイスとかと一緒に食べたら冷たくなって食べられるかもなー?」
蓮華:「あぁ! バニラアイスなら、確か冷凍庫にありました!」
要:「蓮華サン!!! アイス! ボクアイス食べたいです!」
フェルン:「芋にアイス乗っけようぜ!」
鼎:「なにそれ絶対美味しいじゃん蓮華さん頂戴」
ましろ:「アイスー!」
まお:「俺のも持って来いよ」
フェルン:「まおのにはツナ缶混ぜようぜ!」
まお:「ふっざけんな!!!」
要:「じゃあツナ脂入れましょう!」
まお:「お前は油揚げでも入れてろ!!!」
要:「は? そんなのお揚げさんに失礼じゃないですか何言ってるんですかまおサンほんと何言ってるんですか頭おかしいんじゃないんですかお揚げさんに謝ってくださいホラはやくしてくださいよ」
まお:「おまえこのやろう」
しだら:「……ふふっ」
蓮華:「? しだらさん、どうかされました? ――なんだかご機嫌ですね」
しだら:「あぁ、いえ……なんだか、彼らを見ていると……こういうのも、悪くは無いな、と」
蓮華:「あぁ……確かにそうですね。ふふ。でも、しだらさん。この平和の中には、僕やアナタも入っているんですよ?」
しだら:「……そう、ですね。……なんとも心地のいいものですね」
蓮華:「えぇ……本当にその通りです。――さて、僕はアイスを持ってきますね。しだらさんは、何かご入用ですか?」
しだら:「では、温かいお茶を頂けますか? 銘柄はお任せいたしますので」
蓮華:「わかりました。では、少しあの子たちを見ていて下さいね」
しだら:「はい、頼まれました」
フェルン:「うおー!!!! バター付けた芋まっず!!!! ぱっさぱさで味がしない!!! 次のもやろう!!!」
鼎:「バターなんてどっから出したの」
フェルン:「ましろが持ってなかった」
鼎:「用意周到」
ましろ:「バターの塩っけと油分うまい」
要:「お芋がねっとりで美味しいです!!!!」
まお:「カラスお前次もやるのかやらないのか分かりにくいんだよ!!!! つーかまだ熱い喰えねぇ!!!!!」
鼎:「まおくんおもしろ」
まお:「見せモンじゃねえんだよ!!!!」
しだら:「蓮華さんを待ってゆっくり頂きましょう。ね?」
フェルン:「なーなーましろの分の芋食べていいー?」
要:「あ! ボクも食べたいです!」
ましろ:「は!? 駄目だって! それ俺のー!」
しだら:「ほら、あなたたち、そんなに暴れたら人にぶつかりま――」
鼎・要・ましろ・フェルン:「あっ」
まお:「あ”?」
しだら:「あ」
まお:「あぁ”ー!?」
要:「およー……。まおサンまた穴に落ちましたね……?」
フェルン:「……こんなあっさい穴、いつ掘ったんだ……?」
鼎:「2メートルはあるんじゃないの、これ……」
ましろ:「さっき!!! でももっと深く狭く掘りたかったし理想にはほど遠い」
鼎:「ましろさんその穴に対する執着なんなの」
フェルン:「兎の本能丸出しでウケない」
しだら:「まおくん、大丈夫ですかー!?」
まお:「てめぇらマジで後で覚えてろよゴラァーーーー!!!!!!」
ましろ:「あっ無事だ」
鼎:「流石猫」
要:「やっぱり怒ってますかね?」
フェルン:「激おこ」
ましろ:「ぷんぷん丸」
鼎:「ムカ着火ファイヤー」
要:「なんたらドリーム」
蓮華:「皆さんアイス持って来ました――あら? 数が合いませんねぇ……?」
フェルン:「まおー、ツナ缶いるー?」
鼎:「サービスで醤油とマヨネーズかけておいてあげるよ」
まお:「いるか!!!!!!!!」
おわり